プロが実演!打楽器基礎の決定版「ルーディメンツ」前篇
スネアドラムの基礎奏法、ルーディメンツ(Rudiments)。
基礎とは言え、スネアドラムの演奏にはルーディメンツがあればできないことはないと断言できます。また、ドラムセット、コンサートスネア、マーチングのバッテリー、その他の打楽器にもルーディメンツは非常に役立ちます。
今回はそんなルーディメンツの中でも不可欠とされている、アメリカ・ルーディメンタルドラマー協会(NARD)が最初に定めた13のルーディメンツをプロの参考動画と併せてご紹介します。
最後に楽譜も掲載していますので、パーカッショニストの皆さんは是非チェックしてみてください。
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この記事の目次
1.Double Stroke Open Roll
演奏手順「RR LL…」または「LL RR…」
※R=右手 L=左手
パーカッション奏者に一番最初に立ちはだかる壁、「ダブルストローク」です。
日本語では「2つ打ち」と呼ばれます。読んで字のごとく、1回のストロークで2度打つ奏法です。リバウンドを確実につかむことが成功の秘訣といえます。
参考練習動画ではリバウンドを掴みやすくするため、スティックを振り上げたポジションからスタートしていることに注目してください。
ちなみに「オープンロール」は、粒のはっきりとした発音で演奏する奏法です。
※なお最後に掲載している楽譜のNo.1は「The Long Roll」という名前になっています。2打目にアクセントがついているのは、「2打目が小さくなりやすいので注意せよ」といった意味合いです。
2.The Five Stroke Roll
演奏手順「RR LL R…」または「LL RR L…」
ダブルストロークを応用したルーディメント「ファイブストロークロール」。
楽譜にもよく登場するパターンです。
1つ目と2つ目の動画の違いが分かりますか?楽器だけじゃありません。
8分音符(Duple)と3連符(Triplet)で叩き分けられていることに注目してください。
3.The Seven Stroke Roll
演奏手順「RR LL RR L…」または「LL RR LL R…」
ファイブストロークロールの延長版「セブンストロークロール」。
4.The Flam
演奏手順「LR…」または「RL…」
※小さいRLは装飾音符
続いては「フラム」です。
小さい装飾音符(Grace note)と大きい親音符(Main note)により構成されているルーディメントです。
装飾音符は必ず親音符の前に叩きます。なお、ごく狭いストロークをタップストロークと言います。
ちなみに、叩いた音が「フラム」と聞こえた事から、この名前がついています。
5.The Flam Accent
演奏手順「LRLR RLRL…」または「RLRL LRLR…」
フラムを応用したルーディメント「フラムアクセント」。
フラムの親音符以外はすべてタップストロークであることに注意してください。また、タップストロークに3つ打ちが含まれていることを理解して演奏できると良いでしょう。
6.The Flam Paradiddle
演奏手順「LRLRR…」または「RLRLL…」
こちらもフラムを応用したルーディメント「フラムパラディドル」。
フラムパラディドルは、シングルパラディドルの最初をフラムにしたものパターンです。
※シングルパラディドルについてはルーディメンツ中篇を参照。
7.The Flamacue
演奏手順「LRLRLR…」または「RLRLRL…」
初めて「フラマキュー」に挑戦する場合は違和感があると思いますが、アクセント・タップによりリスト(手首)の強化に有効なルーディメントですので、じっくり練習しましょう!
8.The Drag(Ruff)
演奏手順「LLR…」または「RRL…」
「ドラッグ」またの名を「ラフ」と言います。感覚的にはフラムに似ていますね。
9.The Single Drag
演奏手順「LLRL…」または「RRLR…」
ドラッグの応用系「シングルドラッグ」。こちらも3連符系のTripletバージョンがあります。
10.The Double Drag
演奏手順「LLR LLR L…」または「RRL RRL R…」
シングルドラッグの延長版「ダブルドラッグ」。
11.The Double Paradiddle
演奏手順「RLRLRR…」または「LRLRLL…」
「ダブルパラディドル」は演奏で手順をコントロールする際に有効なルーディメントです。
修得すれば、よりスムーズな演奏が可能になります。
12.The Single Ratamacue
演奏手順「LLRLRL…」または「RRLRLR…」
「シングルラタマキュー」。スネアの演奏でよく用いられるリズムです。
13.The Triple Ratamacue
演奏手順「LLR LLR LLRLRL…」または「RRL RRL RRLRLR…」
ダブルラタマキューかと思いきや、こちらは「トリプルラタマキュー」。
シングルラタマキューの延長版です。
楽譜はこちら
The 13 Essential Rudiments
いかがでしたか?
今回は、ルーディメンツの歴史の始まり、13のルーディメンツをご紹介しました。
参考動画のプロ、John Wooton(ジョン ウートン)のようにゆっくりのスピードから、超高速まで様々な速さ、ダイナミクスで練習してみましょう!
次回の中篇もお楽しみに!
プロが実演!打楽器基礎の決定版「ルーディメンツ」中篇
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